旅の記録2016GW北陸編
黒部峡谷
(その1)
Kurobe Gorge(Part 1)
2016年5月3日
<立山黒部アルペンルート 黒部峡谷(その2)

2016年5月3日(火曜・憲法記念日
ホテルをチェックアウトすると、市内電車で電鉄富山駅へ。
電鉄富山駅の2番のりばには
不二越・上滝線(南富山経由)の7:57発岩峅寺行き
(車両はかつて東急大井町線で使われていたもの)、
3番のりばには本線の7:59発宇奈月温泉行き、
4番のりばには立山線(寺田経由)の7:52発立山行きが停車していた。
これから乗車する宇奈月温泉行きはまだ改札が始まっていないため、
改札の外で待つ。
改札開始後
(7:52発立山行きはすでに発車している)、
2両編成のモハ14722とクハ172を撮影。
電鉄富山駅発車時はクハ172が先頭だったが、
途中の上市駅でスイッチバックを行ったため
以降はモハ14722が先頭で走行し、
宇奈月温泉駅に到着。
宇奈月温泉駅に隣接して
黒部峡谷鉄道の宇奈月駅がある。
画像中央には電気機関車EDM 22と
特別客車(通常A型客車)2000形、
画像右側にはリラックス客車(通常R型客車)3100形が
写っている。
ホームの端には「駅の足湯 くろなぎ」がある。
JR九州の特急列車などを手掛けた水戸岡鋭治がデザインを担当。
奥には黒部峡谷鉄道宇奈月駅の駅舎が見える。
宇奈月温泉駅の駅舎。
「駅の足湯 くろなぎ」は外からも利用できるが、
中間に仕切りがあり駅構内には
入れないようになっている。
黒部峡谷鉄道宇奈月駅の向かいには
黒部峡谷の自然や電源開発の歴史について展示されている
黒部川電気記念館」(入館無料)がある。
館外展示されている機関車は、黒部峡谷鉄道の前身・
黒部専用鉄道で使われていたEB5号型。
宇奈月駅の入口。
きっぷはすべて窓口で購入・受け取りを行う。
チケット予約用のWebサイト、旅行代理店などで事前に申し込んだ場合、
および前売り券を購入する場合(いずれも乗車日の3か月前から前日まで)は
左側の1番窓口で乗車券と乗車整理券(特別客車乗車の場合は特別車両券
リラックス客車乗車の場合はリラックス車両券)を受け取る。
(直前の予約で料金を事前に振り込んでいない場合はここで料金を支払う。)
当日購入の場合は右側の窓口を利用することになるが、
ゴールデンウィークや夏休みなどのハイシーズンには長い列ができ、
希望の列車に乗れない恐れもあるため、
できれば事前に申し込んだほうがいい。
宇奈月駅の改札口。
富山地鉄と同様、列車ごとに改札を行うが、
普通客車(通常B型客車)・特別客車リラックス客車のいずれも
乗車券とともに発行される乗車整理券(特別車両券/リラックス車両券)には号車のみ指定されるため
その車両内で希望の席を確保するためには
早めに改札口に来て改札待ちの列に並ぶ必要がある。
なお、改札口に吊り下げられている注意書きにもあるが
改札の際は乗車券と乗車整理券(特別車両券/リラックス車両券)を駅員に提示する。
乗車予定の列車は10:44発だが、先発の10:22発列車は公式サイトや市販の時刻表に記載されていない。
その理由は次の画像で。
改札口の向こうには「旅客列車編成と号車ご案内」がある。
訪問当時の「旅客列車編成と号車ご案内」には以下の5種類の編成が掲載されていた。
[機関車重連]-[普通客車(1〜7号車)]-[特別客車(8号車)]-[関係者専用(9号車)]-[特別客車(10〜13号車)]
[機関車重連]-[普通客車(1〜7号車)]-[リラックス客車(8〜13号車)]
[機関車重連]-[普通客車(1〜13号車)]
[機関車]-[特別客車(8号車)]-[関係者専用(9号車)]-[特別客車(10〜13号車)]
[機関車]-[リラックス客車(8〜13号車)]
10:44発の列車はリラックス客車のみの6両編成だった。
10:22発欅平行き列車は関西電力の工事関係者専用列車で、
宇奈月駅に右の画像のように時刻表が掲出されている。
訪問当時は宇奈月−欅平間に7往復設定されていた。
下には欅平より先、黒部ダムに至る
旧日電歩道・水平歩道の状況案内(通行可能か否か)がある。
見切れてしまっているが、訪問当時は全区間×(通行不可)だった。
黒部川電気記念館を見学した後、改札口に戻ったら10:44発列車の改札待ちで列ができていた。
慌てて最後尾に並んだが、前に並んでいた人たちは自分の指定された車両とは別の車両に指定されていたようで
無事希望の席を確保できた。
10:44発の列車を牽引する電気機関車EDM 31。
電気機関車は1台で7両まで牽引可能な性能を持ち、
6両編成の場合は1台、13両編成の場合は重連で
運行される。
宇奈月駅の駅名標。
黒部峡谷鉄道の駅名標は
このように路線図が描かれたもの、
隣の駅を記載したもの、
両方記されているものの3パターンある。
宇奈月駅を発車。
すぐ、進行方向左側に山彦橋が見える。
山彦橋は黒部峡谷鉄道の旧ルートで、
周辺を含めて「やまびこ遊歩道」として
整備されている。
なお、右の画像は現在線の「新山彦橋」を
走行中の列車から撮影した山彦橋。
最初の停車駅は「柳橋」。
しかし、ここでは一般客の乗降はできない。
中間駅で一般客の乗降が可能なのは
この先の黒薙駅、鐘釣駅のみである。
黒部峡谷鉄道は駅構内を除いて全線単線のため、
一般客乗降不可の駅は駅というより
列車交換のための信号所に近い。
欅平方面からの列車を待って発車。
黒部峡谷鉄道の駅は以下の通り。[一般客乗降可能]/一般客乗降不可
[欅平] - 小屋平 - [鐘釣] - 猫又 - 出平 - 笹平 - [黒薙] - 森石 - 柳橋 - [宇奈月]
黒薙駅は一部の列車が通過する。
笹平駅は部分開通期間における折り返し時、および対向列車行き違いの待ち時間が長い場合、
トイレ休憩などのためにホームに降りることはできるが、駅の外には出られない。
黒薙駅では黒薙第二発電所、新黒薙第二発電所方面への
専用線が分岐する。
かつては黒薙温泉への近道として通行可能だったらしい。
黒薙駅発車後すぐに渡る後曳橋から
黒薙川に架かる水路橋を撮影。
笹平駅で欅平方面からの列車と行き違い。
笹平駅ホームには、冬季歩道
(その名の通り、冬季に鉄道施設の保守や
資材の運搬などを行うための通路)の出入口がある。
冬季歩道には一定間隔ごとに空気穴
(「冬季歩道」の看板の少し右にある)を設けている。
まもなく出平(だしだいら)駅。
進行方向左側には
スイッチバック用のような引き込み線。
出平駅で対向列車の行き違い待ち。
側線にはムチ形貨物車(15t積み長物車)が留置されていた。
その奥はかまぼこ型の冬季歩道。
出平駅発車後もかまぼこ型冬季歩道はトンネルに入るまでずっと続き、
このような出入口も途中にあった。
鐘釣駅手前で黒部川を渡り、
これより先は黒部川の左岸を進む。
鐘釣駅に到着。
関電専用駅の小屋平駅を含めて残るは2駅。
百貫山に降った雪が雪崩となって堆積したという
黒部万年雪。
百貫山(標高1970m)。
黒部川もだいぶ上流に遡り、
大きな岩がゴロゴロしている。
ウド谷橋を渡る。
黒部峡谷鉄道の公式サイトでも紹介されているが、
この橋は冬季の運休期間中、レールと枕木を取り外して
奥の扉付きトンネル内に保管する。
最後の中間駅、小屋平駅に到着。
ここで最後の対向列車行き違い待ち。
奥には小屋平ダム(黒部川第二発電所堰堤)が見える。
左にはダム管理施設への引き込み線が分岐。
小屋平駅を発車。
引き込み線は小屋平ダム堰堤よりも先まで
延びている。
小屋平ダムのダム湖は
黒部川上流からの土砂が
だいぶ堆積している模様。
小黒部谷を渡る橋を通過し、トンネルを抜けると・・・
引き込み線、そして
終点・欅平(けやきだいら)駅が見えた。
欅平駅の下には
黒部川第三発電所がある。
側線を通る列車とすれ違う。
無蓋車ト241に乗せられているのは
ごみ運搬用のコンテナ、その名も
「峡谷美人」号。
宇奈月駅から20.1km、旅客列車の終点・欅平駅に到着。
一般の観光客が利用できるのはここまで。
線路はこの先にも延びているが、
この先の「黒部ルート」は関電の施設保守・工事用で
関係者以外が通行できる機会は
5月下旬から10月まで開催される「黒部ルート見学会」
または6月から11月に実施される
黒部峡谷パノラマ展望ツアー」のみ。
「黒部ルート見学会」の応募倍率は
(平成27年度の月別平均で)
欅平発が3.7倍〜6.2倍、黒部ダム発は3.1倍〜4.2倍。
EDM 31が機回しのため一旦奥へ。
「黒部ルート」は以下の通り(参考:見学会のご案内パンフレット)。
欅平(標高600m) - [工事用トロッコ500m] - [竪坑エレベータ200m] - (ここまで欅平駅構内:標高800m) - [上部専用鉄道5.5km] - 黒部川第四発電所(標高869m)
- [インクライン815m] - 作廊谷(標高1325m) - [黒部トンネル専用バス10.3km] - 黒部ダム(標高1470m)
「黒部峡谷パノラマ展望ツアー」は以下のコースの往復で、予約すれば確実に途中までではあるが黒部ルートを見学できる。
宇奈月駅 - [黒部峡谷鉄道] - 欅平駅 - [工事用トロッコ] - [竪坑エレベータ] - 竪坑展望台 - [上部トンネル(徒歩)] - 上部トンネル出口広場 - [登山道(徒歩)] - パノラマ展望台
欅平駅の駅名標(隣駅のみ記載)と
2500形リラックス客車。
機回し中のEDM 31が側線を通り、
2500形リラックス客車と並ぶ。
欅平駅は1面1線だが、ホームは長大。
終端側で客を降車させ、乗り場は宇奈月寄りにある。
宇奈月駅−欅平駅間の営業キロは20.1kmだが
前述の通り工事用軌道が続くためホーム上に
20.2kmのキロポストがある。
ホームから黒部川第三発電所を見る。
欅平駅の駅名標(路線図のみ記載)。
改札口に向かう途中、奥鐘橋が見えた。
黒部峡谷は猿飛峡、奥鐘山とともに
国の特別名勝・特別天然記念物に指定されている。
欅平駅前からの眺め。
奥が奥鐘山で、左に見える川は祖母谷川。
中央やや左に奥鐘橋、その奥が人喰岩。
右は黒部峡谷鉄道の本線と引き込み線。
駅前の片隅にあった、関電の工事・保守車両用の扉付きトンネル。
欅平駅前の坂を下りると、駅到着直前/発車直後の列車を間近で見られそうな場所があった。
トンネルを出てすぐのところには20kmのキロポストも。<次のページに続く>

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